黒部源流部の山旅
黒部源流部の山旅
2023年7月23~26日
2023年7月23~26日
参加者 4名
■コース
[23日]<自家用車>島田 0:35 = 島田金谷IC = 豊田東JCT = 美濃関JCT = 立山IC = 折立️ 6:33/7:15 … 折立登山口 7:25/7:35 … 三角点 9:46/10:05 …五光岩ベンチ 12:00/12:40 太郎平小屋 14:06 (泊)
[24日]太郎平小屋 6:01 … 左俣の出合 7:36 … 薬師沢小屋 8:49/9:10 … 2354m地点 11:42/12:00 … アラスカ庭園 12:36 … 雲ノ平山荘 13:37/14:09 … スイス庭園分岐 14:27/14:33 … 高天原への分岐 … 高天原峠 17:08/17:37 … 高天原山荘 18:30 (泊)
[25日]高天原山荘 6:00 … 高天原温泉 6:25/7:15 … 高天原山荘 7:40/8:17 …高天原峠 9:32/9:48 … E沢 10:37/10:45 … D沢 11:14 … C沢 11:45/12:15 … B沢 13:03/13:20 … 黒部川出合 13:24 … 薬師沢山荘 16:24 (泊)
[26日]薬師沢山荘 6:42 … 左俣の出合 7:56 … 太郎平小屋 10:10/10:32 … 五光岩ベンチ 11:19/11:30 … 三角点 12:56/13:24 … 折立登山口 15:08 /15:28 …折立️ 15:36/15:58 = 高山IC = 美濃関JCT = 豊田東JCT = 島田金谷IC = 島田 10:50
23日7時35分、折立の登山口から歩き始める。梅雨明け10日と言う通り、日差しが強く気温も急上昇、水分を取らなければたちまち日干しになってしまうところだ。大きな石を木枠で囲った登山道を我慢強く進むにつれて、薬師岳の堂々とした山容が大きく迫ってくる。いつになったら休めるのだろう?と思う頃、太郎平小屋に到着。
24日、6時出発、快適な木道が続き、それが岩と土の下り道になり、薬師沢小屋に着く。細い吊り橋を渡って、雲ノ平への急坂に取りつく。ゴロンゴロンした岩は樹木の下で湿っていたり苔むしていて、滑ること滑ること。急登が終わる2354m地点を過ぎると勾配も緩くなり、台形の上辺に上がった雰囲気がしてくる。アラスカ庭園・日本庭園を通過して雲ノ平山荘に着き、昼食。その後、道を間違えて時間を費やしたが、進路を北に取り、高天原峠を目指す。くねくねした丸太の階段道と梯子が続く急下りのルートは非常に長く感じられた。高天原に着くために避けては通れない必然の道。ようやく峠に着き、そこからは1時間程で高天原山荘にたどり着く。
25日朝食後、更に奥の高天原温泉に行く。ぬるめの、水色に白濁している湯に浸かっていると、よくこんなに遠くまで来たものだ、という感慨が湧いてきた。帰りはピストンで戻る予定だったが、誰もが昨日の長時間の急登急下りはもうごめん被りたい気分だった。高天原峠から大東新道を通って薬師沢小屋まで行くことに決定する。E沢からB沢まで順に登り降りして行くと、水量のある黒部川との出合に達し、やがて薬師沢山荘に到着。いくつか危険箇所のある大東新道を無事通過できて、胸を撫で下ろす。
26日、薬師沢から太郎平まで登り返す。まず急登を汗をかきかき登るが、傾斜は緩やかになり、木道がなだらかに続くようになる。爽やかな高原の風と山野草の可愛い花々が出迎えてくれるのを喜ぶうちに、太郎平小屋に戻ってくる。少し休憩を取り、折立までの長い降りに取り掛かる。ゴロゴロの石に足を取られないよう慎重に歩いてきたら、登山口まで実に4時間半もかかってしまった。(MOR)
2016年8月、4日間の北アルプス山旅で憧れの雲の平を訪れた。(新穂高温泉より入山)そして今夏、山頂は一つも踏まない北ア山旅でその雲の平の再訪と秘湯高天原を目指した。(折立より入山)4日間好天に恵まれ、素晴らしい景色、可憐な花々に癒された。高天原の野天風呂は貸切状態で(無理矢理させたと陰の声あり⁈)朝陽を浴び山に抱かれての至福の一時だった。計画変更になった大東新道も良い経験となった。小屋の管理人から「沢を渡渉する前に登るルートをちゃんと確認して…」と助言を貰って4人で確認しながら進んだ。支流はそれぞれ特徴があり、渡渉する度に群生している花も異なり楽しめた。そして本流の力強い流れと共に歩を進めるのは爽快でもあった。そしてその先の薬師沢小屋は水、出しっぱなしのナント贅沢な小屋だった。長いような、アッという間のような4日間だった。一緒に旅したメンバーに感謝です。(MAS)
4日間の長い長い山旅であった。
黒部の源流部、雲ノ平、そして高天原の秘湯。
老体に鞭打っての、厳しく、苦しい山旅であったが、好天に恵まれた楽しい楽しい山旅でもあった。
秘境、雲ノ平が広々と拡がっている。
源流部より流れ出した黒部川の水は、やがて上ノ廊下を通り、今は黒四ダムになっている平ノ渡を過ぎ、さらに下ノ廊下を下り、日本海に注いでいる。
「日本一遠い温泉」と呼ばれる高天原秘湯。
標高2100mにあり、どの登山口からも1日で辿り着く事が困難で、途中、山小屋で一泊を要する。河原に在る露天風呂は白濁し、泉質も良く、雰囲気もたまらない。渓流の音を聞きながら、蒼穹の天を見上げながら、いつまでも、いつまでも、浸かっていたかった。
この温泉から、さらに北の奥に20分程歩くと竜晶池がひっそりと在った。水晶岳が眼前に迫り、水面には薬師岳が逆さに映る。人っ子一人いない、静かで神秘的な山奥の池であった。
最高の人生の御馳走とは、こんな山旅を言うのであろうか……。(TAK)

(NAG)
文 MORさん・TAKさんMASさん提供 コース絵NAGさん 写真TAKさん提供 投稿【SHC広報K】